Sportsの窓

EPISODE 3

2005年 六カ国対抗戦

 【2】


六カ国対抗戦

第3週が終わってまだまだライブでは中々観られない大切な1戦
そして、さらに昨晩は第4戦

やっぱり『台風の眼』になったのは・・・おフランス・・個人的には“怒りマーク”を額に張り付けたいくらい・・・


しかし、先ずは遅れてしまったそのおフランス対ウェールズの試合を思い出しながらこの1ページを 


          






時は2月26日どんよりと薄暗い・・試合開始時間も16時キックオフという
試合会場は敵陣に乗り込むウェールズ

パリ郊外に建つこのスタジアム「スタッド デ フランス」は8万人収容
そして、建設後の初トライは永遠のライバル・イングランドチームだったという皮肉もつきまといます

果たしてラグビーを国技と考えるウェールズの応援団はこのスタジアムに飲み込まれることなく、
今大会元気はつらつ!のレッド・ドラゴンチームの『Land's of Father』を響かせることができるのか・・・?

とっても不安と期待の入り混じった面持ちで深夜のテレビの前に正座していたのでした・・・



スタッド デ フランス
スタッド デ フランス

過去このレッドドラゴンは雄鶏チームのおフランスに勝利したのはこの対抗戦では、
近いところでなんと約10年前の大会、まだまだ五カ国対抗戦と呼ばれていた1994年、
その前は更に更に遡る1978年という
正直今までこの対戦は黙っていてもほぼ雄鶏チームの勝利がほぼ確実に近いくらい・・
(それについては私も悲しい・・ )



ここでちょっと興味深いのはこの大会についての予想を元有名選手であり、
現在はBBCラグビー中継には欠かせない解説も行うという方々の今大会の最初の予想
現在終盤に差し掛かり、更に混戦となった今このときだからこそ!
有名どころの皆さんは当初どのように今大会を見ていたのでしょうか・・・?

 

往年のスーパー・スター、私が実はウェールズファンになったきっかけはこの選手から・・・
現地のラグビー中継には欠かせない元レッド・ドラゴン10番のジョナサン・デイビス


ウェールズの往年の10番 ジョナサン・デイビス

“初戦のイングランド戦を勝つことができるだろうと思うけれど、
主砲のチャービスが欠けているのが痛い・・
しかし、イングランドチームはバランス的にかけているものがある”

予想通りその後のイングランドには目を覆いたくなるような結末が続いています・・・

とは言え、彼自身の今大会予想は優勝・おフランス、
自国のウェールズは4位という位置につけています


  


そして、元イングランドチームの要の一人
これまた私の大好きだった(・・・失礼!しかし、ラグビー選手しながらデルモまでしていたのはうなづける・・
・・しなやかな黒豹のような走りでした )

元イングランドの12番・ジェレミー・ガスコット


元イングランド11番 ジェレミー・ガスコット

彼は今年はグランド・スラムはどのチームも難しいのではないか?
そして、彼は優勝アイルランド、次はイングランド、フランスと続き、
その4位に揚げたウェールズにはコメントもありませんでした・・・


  


そして、WCでは彼に取っては最終戦とも言えるフランス戦で敗れてさえ、
スタンドの拍手はこの人に向けられたものが多かった
元アイルランド主将、走って、蹴って、飛んでトライする、2番のキース・ウッド

元アイルランド主将 キース・ウッド

彼はこのようにコメントを残しています

“初戦のカーディフの試合はイングランドにとってはとてもハードな試合になるだろう・・・
ウェールズは最近とみに素晴らしい試合をするが、ウェールズが試合を落とすのはアイルランドとフランスではないか・・・”
彼の予想はもちろん自国アイルランドグランド・スラム優勝、2位がおフランス、
そして、続くのはこのウェールズでした








2月26日 ウェールズ対おフランス

総評としてはとても見ごたえのある一戦でした
どちらもチームの気質が程よく出ていて(良い部分・悪い部分も含めて・・・)


最初から気合の入ったおフランスはご存知のように強い!
前半も開始早々、前々回のWC準決勝のNZ戦のように走る!走る!のおフランスが『シャンパン・ラグビー』と呼ばれる、
そのスタイルのそのまま!

また走るだけでなく、FW・スクラムでもウェールズは押されていました

特に目立ったのは、フランカーのベッチェンと大型ウィングのルージュリー
(この人見ると出始めのカーワンのイメージは私だけ?)



フランスの14番 ルージュリー

ベッチェンは相変わらずボールに絡みまくるし、
ルージュリーはでかい体のわりに隙間はともかく自由自在に走っていました
彼が走り出すとウェールズの選手はまるで重戦車が走ってきたかの如く止められない・・

それでもウェールズは時折攻撃チャンスがあってもラインが浅く、
またハンドリングエラーも多く有効な決め手に欠けていました
(試合中に突然チャンスが転がり込んできてもミスする桜マークのチームとちょっぴり重なったのは私だけ・・・? )



走る!走る!おフランス・チーム

走りまくるおフランス・チーム




しかし、これまた後半の突然の「チームの変わりようも雄鶏チームらしいと言えば・・らし過ぎる・・・

打って変って対するレッド・ドラゴンも同じように後半から突然チームが変わったように見えましたが・・・
ピッチをワイドにに使うゲームプランは始終変わらず
ただ前半多様したキックを後半は押さえ
(自陣からのキックも使わず・・・前半はそれをやってほとんど戻されていましたから・・)

試合運びがやっと自分のペースを取り戻せてきたように見えました

イングランド戦同様ハンセンは良く動いていましたし、SHもよくFWをコントロールしていました


特に後半始まって約5分半でフランカーのマーチィン・ウィリアムズが連続2トライ
これで逆転し、風がウェールズに向いてきたような気がしました


連続2トライのマーティン・ウイリアムズ


敵陣乗り込みのスタジアムでは、お得意の“Land's of Father”の歌声が選手達の耳に届かないまでも
敵の本拠地でのトライによる逆転にはさぞかし応援するサポーターも胸が救われたことでしょう


決して負けていない少数気鋭のレッド・ドラゴンサポーター
勢いでは決して負けていない少数気鋭のレッド・ドラゴンの応援団


チョット気になったのは今回のもう一人の“ウィリアム”ことシェーン・ウィリアム
彼のデイフェンス・・・

ウェールズのシェーン・ウィリアム


以前から走る姿も誰かに似ているなーと思いながら、頭の隅に常にぶら下がっていたその疑問は
彼のその試合の中で思い出したのは、
あの『吉田 義人選手』

小柄な身体ながら、筋トレのお陰か?ちょっぴりガに股気味の歩き方と言い、
コースは押さえるのだけれど、相手が身体を当ててくるとあっさりゲインされる

2本目のルージュリーのトライもあとから手を出す“行きましたタックル”はあっけなく跳ね飛ばされてしまいました

マウントパスにしても、センスもファイトもあるプレーと軽いプレーは紙一重かもしれません
うまくいけば賞賛されますが、一歩間違うと・・・・

そういえば吉田君もよくマウントパスしていましたね
吉田君がそうであったように、彼も国内でそう言われていないようであれば、良いのですが・・・

しかし、WCの時からチョッピリ注目していたシェーン君にはこれから最終戦、期待していますが・・・
オド率いるアイルランドも私は捨てがたい・・


さて、結果はご承知の通り
24対18にてウェールズの勝利

よく終盤は守りました
後半よもやと思われたゴール前のディフェンスには思わず、神様に祈り・・・
膝には力が入り、手は握りこぶしの中で流れる汗を感じ・・・
それでも最後は踏ん張った集中力は見事でした  


おフランスに勝利したレッド・ドラゴン

勝利したレッド・ドラゴン!飛び上がる!





さて、2000年以来イングランドとおフランスで分け合ってきたこの六カ国対抗戦の王座ですが
この調子で行けば混戦状態の3チーム
もしかしたら、1994年以来、グランドスラムは1978年以来の快挙となります

最終戦となる本拠地ウェールズのミレニアム・スタジアムは真っ赤なジャージに埋め尽くされ、
また反対色の緑のジャージも負けずに声が張り上げることでしょう

その日は、私は幸いにロンドンにいます

最終戦の3試合の解説者と共にアイリッシュのアンと共に『Ireland's Call』を歌うか?

お互いに称えながら『Land's of Father』を歌うか・・・?

とても難しい選択であると共に、今からその時が待ち遠しくてたまりません




アイルランド主将 ブライアン・オドリスコル

若きアイルランド主将・ブライアン・オドリスコル



注)これはあくまでも私個人の感想になります
皆様それぞれのご感想やご意見をお持ちでいらっしゃることと思います
皆様のご意見などお待ちしています








Top New ページのTop  スポーツの窓 (ゴルフページはこちらからお進み下さい)


2003年ワールド・カップ 前哨戦 (2003年のワールドカップページはこちらからお進み下さい)


  ワールドカップその後 EPISODE 1 2004年シーズン EPISODE 2


2005年六カ国対抗戦 EPISODE3【1】  2005年六カ国対抗戦 EPISODE3【3】